敵を知って己を知る‼

【低価格カット店は何をやっているか?】

今回は、あえて低価格カット店を取り上げてみます。

美容大型店の動向を見ても、業績を伸ばしているのはこういった業態のお店が中心になっています。

技術を切り売りして、安くて明朗な料金に設定しているだけではなく、様々な経営努力をしています。
日経MJのある記事で、「イレブンカット」という関東を基盤に約130店展開されているお店が紹介されていました。

主な特徴として、
・カラー剤を持ち込みできる。
・店舗での商品販売を一切しない。
・店舗設計の工夫(明るさとオープンな設計で入店のハードルを下げている。)
・すきま時間を使って来店しやすい環境つくり
。(髪の長い女性でも20分以内で終わらせる「早さ」を重視)
・ショッピングセンターへの入店。
・技術研修や接客マナー研修への大きな投資。
・チームプレーによる顧客満足度や効率性を重視。
・顧客アンケートによる技術や接客の評価を美容師に 
 フィードバック。それをもとに査定。
・低い離職率
(3年で3割程度(業界平均は3年で7割))
などです。

★御店ではいかがでしょうか?★

今、低価格店が業績を伸ばしているからといって、同じようにやりましょうという提案をしたいわけではありません。
業績を伸ばす低価格店の強みを確認するという意味で取り上げています。
ポイントは、このお店の離職率が他に比べて低いということです。
離職率が低いということは、仕事が充実し、職場環境が良く、成長を感じられるということです。
重きをおいた研修制度や、顧客アンケートのフィードバックといった仕組みは、顧客満足度だけではなく、従業員満足度にも貢献しています。
「安かろう、悪かろう」というイメージの排除。
徹底的な合理化の裏で、こういった仕組みで経営努力をしていることを見逃してはいけません。
低価格を指向しないお店は、なお一層、顧客と従業員の満足のために努力する必要を感じます。


2012年 新春経営セミナー開催

(テーマ)
「サービス・プロフェッショナルの人材育成 ~京都花街の芸舞妓の事例に学ぶ~」

(日時) 2012年 2月 6日(月) 14:00~16:00     大阪市天王寺区東高津町7-11  tel:06-6768-3911 

(参加費) 3,500円/1名様

(会場) たかつガーデン 2F コスモス

(講師) 西尾 久美子氏(京都女子大学 現代社会学部  准教授)
◇プロフィール◇ ( http://www.kyotohanamachi.biz/ )
 京都市生まれ、実家は数代続く米穀商。
 京都府立大学女子短期大学部卒業後、大阪ガス株式会社に勤務。退職後、
 1997年4月滋賀大学経済学部に社会人入学、同2001年3月卒業、
 2006年3月神戸大学大学院経営学研究科博士課程修了、博士(経営学)を取得。
 2006年4月神戸大学大学院経営学研究科助手、同大学院研究科COE研究員を経て、
 2008年4月から現職。専門は、経営組織論、キャリア論。

(内容)
超一流のもてなしを提供する京都花街。
350年以上受け継がれ、現代に脈々と息づいているその根幹にあるのは人材。
「舞妓」を育成するシステムと「一見さんお断り」に象徴されるビジネスシステムの慣行にある。
現在、舞妓を志す若者の多くは京都以外からやってくる全く素人の少女たち。
彼女達は置屋に住み込み、濃密な人間関係の中で京ことばや日本舞踊の立ち振る舞いなど基本技能を学び、わずか1年ほどでプロとしてお座敷にでます。
さらにお座敷では顧客や関係者も巻き込み、徹底したOJTがなされています。
現代の少女たちが厳しい世界である舞妓・芸妓という華やかな職業に憧れ、プロフェッショナルになる育成のプロセスを追いながら、どのような人材育成がなされ、京都花街という異空間の中でお客様に質の高い付加価値のサービスをどう提供しているのか、キャリア形成の視点から人材育成について学びます。
お客様が言語化できない見えないニーズを、美しい形にして提供し続けて今につながる京都花街のあり方は、美容業従事者にも大きなヒントとなるはずです。


京都花街の経営学

西尾 久美子
東洋経済新報社
発売日:2007-09

花街の世界というと、保守的で閉鎖的なイメージがある。
しかし、ビジネスの観点から分析すると、時代の変化を敏感にとらえながら、ビジネスモデルや仕組みが精緻にできあがっていることに気がつく一冊。

350年という伝統を引き継ぎながらも、時代の価値観に合わせていく・・・。
芸舞妓を育成するシステム。「一見さんお断り」にこだわる理由。
もてなしの能力を意味する「座持ち」の養い方。
など、京都花街の経営の裏側を知ることができる。

成果主義、360度評価などの人事制度や、人材教育、ビジネスの仕組みなど他の業界でも参考になるようなモデルがたくさんある。

特にサービス業や職人を雇う業界関係者におすすめの書。


「認められたい」の正体 ~承認不安の時代~

時代に合った切り口と考察が面白い。

「空虚な承認ゲーム」とは言い得て妙。
身近な出来事をみてもこのキーワードが見事に当てはまる。

ミクシィの足跡を気にしたり、
フェイスブックの「いいね」の数を気にしたり、
ツイッターのフォロワー数を気にしたり・・・。

価値観が多様化し、今まで正しいとされてきたことが必ずしも正しくなくなった。
また、政治・マスコミ不信、安全・安心神話の崩壊など、今までよりどころにしてきたものの不信が目立つようになってきた。
人々は頼りにしてきたものをなくし、不安になっている。

今までは、社会が正しいとされてきたことを忠実にこなしていれば、承認欲求は満たされた。しかし、こういった時代になると、いわゆる一般的承認が受けにくくなってしまった。

それゆえ、親和的承認や、集団的承認を求める。
「KY」という言葉が生まれたり、「空虚な承認ゲーム」が身近で沸き起こる・・・。

終始同じ内容の繰り返しではあるが、現代社会の問題点として強く意識させられる一冊である。

<他者の承認の対象>
親和的承認→親や家族、恋人、親友など
集団的承認→同僚、同組織、近所のコミュニティなど所属集団
一般的承認→社会における多くの人々


「おすすめ」の注文をいただくには??

【お薦めのパターンを探し、磨く!!】

競争が非常に厳しい飲食業界。顧客を獲得するために、しのぎを削っています。
そんな中、飲食店側が薦める料理や飲み物を出すことは、
①顧客満足度を高めること。
②追加注文による客単価を増やす。
という意味で重要です。

あるお店では、「お薦め」で注文を取るための様々な試みで成功しています。
1、酒の試飲を勧める。
  →顧客の好きそうなお酒を3、4種選び、目の前でミニグラスに注いで試飲してもらう。
2、ファーストオーダー時にいくつかの商品を必ず薦めるようにしている。
 →メニュー表を見せながら、その商品のキーワードを必ず盛り込んだ説明をする。
 →お薦め料理を提案する際は、腹にたまらない ことを考慮する。
などです。

接客のロールプレイングでは、こういったお薦めの仕方も練習し、スタッフのスキルを磨いていくべきだとしています。

★御店ではいかがでしょうか?★

「お薦め」をするということは、美容業では飲食業以上に必要といえるかもしれません。
髪やデザインのことは、美容師のほうが顧客よりも圧倒的に知識をもっているからです。
顧客と美容師との知識のギャップが価値となり、それを埋めることがお金になります。
美容師が「お薦め」をすることは、そのギャップを埋めるための手段となります。

では、顧客に分かりやすく説明し、お薦めするにはどうしたらいいか?
この事例から参考になることは、
「お試し」「メニュー表・キーワード」ですね。
お客様の五感をフルに使ってもらえるようなコミュニケーションを、スタッフ全員で考えてみてください。


店員同士で接客を批評する!!

【厳しさが接客意識を高める】

料理が美味しいのは、もはや当たり前。
それ以外のプラスアルファがあるかが繁盛店か否かの分かれ目・・・。
というのが今の飲食業界ですね。

接客レベルはその特に重要なポイント。
明るさ、元気、言葉づかいの良さだけではなく、客の要望を事前に店員が察知し、客に声をかけられる前に行動するという更にレベルの高いサービスを提供して繁盛しているというお店があります。

店員全員がこのレベルに育つのは至難の技。
厳しい姿勢で会社をあげて改革に取り組んでいます。
店舗会議では、社長からアルバイトまで全従業員が参加し、個人の仕事のできを、役職に関係なく全員で指摘しあうとのこと。
他人の落ち度を指摘するので、自分がいい加減な動きをするわけにはいかない。
指摘する側もされる側も接客のレベルが上がるという仕組みです。
真剣で厳しい会議の取り組みが全員の意識を向上、お店のレベルを上げています。

★御店ではいかがでしょうか?★

お店全体の接客力を高める仕組みをお持ちでしょうか?
ミーティングなどでは一方的ではなく、お互いの接客を批評できるほどの緊張感、厳しさも必要でしょう。
ただ、やみくもに問題点を批判するのではなく、良かった面を評価し、共有する雰囲気をつくっていくことが特に重要です。
スタッフ全員に発言をさせることは、責任感を高め、やる気につなげ、店全体の意識を向上させます。

御店のミーティングでは、全てのスタッフが意見を述べる雰囲気はできているでしょうか?